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更新日:2017年11月29日
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オウムガイなど幾つかの生物が生きた化石として知られているが、その中にオキナエビスガイも含まれてる。この貝の仲間はオウムガイ同様、大昔の古生代・中生代(数億年前)に大繁殖し、その後絶滅しかけ現在地球上にわずか8種類が深海にひっそり生息していることが知られている。この貝の殻は10cmを超える大きさで、にぶい金属光沢をもつ美しい赤だいだい色である。他の貝に見られない特徴として写真のように殻口が細長く切れ込んでいる。またこの仲間の貝はいずれも深海産で珍しくしかも美しいため高価なことでも有名である。
(出典:かごしま貝類散歩植之原道義著)
チマキボラはオキナエビスガイと同様に日本を代表する貝の一つである。殻は、その形があまりにも変わっていることから、一時はある貝の幼貝かまた奇形と思われた。巻きかたの大ぶりにも似ず殻は薄く壊れやすい。色は生きた貝のときは上品なうす紫を帯びているが、乾燥するにつれてこの色は失せてしまうのである。
今までは、高知、和歌山県の水深400から500mの海底からまれに網にかかって取れたが、今では海底の底引漁業が発達したためそうまれな貝ではなくなった。鹿児島県近海では志布志、枕崎沖や東シナ海からも採集されるようになった。
(出典:かごしま貝類散歩植之原道義著)
クマサカガイの写真を見て、これが一つの巻貝であると見抜ける人は少ないと思う。名前の由来が物語で有名な大盗人熊坂長範からとられたものであると聞けば、なるほどこの貝の様子が、熊坂長範の泥棒に押し入る七つ道具を背負ったように思われる。もともと自己の殻は偏平な円すい形であるが、殻表にいろいろな貝の死殻や石をくっつけている。このようにして自分の体を隠し自己保護の役割をさせているように思われる。房総以南の4~50mの深海に住み、時たま漁師の釣りにかかってくる。串木野沖でも釣られたことがある。
(出典:かごしま貝類散歩植之原道義著)
鹿児島湾には他の地域ではあまり見られない貝がいろいろある。それらの中でひときは珍しい形をしたのがツツガキである。
この貝は長さ25センチ、直径3センチくらいの円筒状していて白色である。それで一見動物の骨と見間違えられることがある。根のようなところには多数の穴のあいた短い管があり、上のほうはアサガオの花を三重くらい重ねたように開いている。また、根に近いところには二枚貝の開いた貝が残っている。この変な格好のツツガキもこれで二枚貝であることが証明づけられる。つまり、幼貝のときはれっきとした二枚貝であって成長するにつれて二枚の殻が伸びて円筒状のものになったというものである。
(出典:かごしま貝類散歩植之原道義著)
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